堺が世界に誇るミュシャ・コレクション
堺市は、株式会社ドイの創業者 故土居君雄氏(1926-1990)が収集した約500点にのぼるアルフォンス・ミュシャの作品を所蔵しています。
土居氏はミュシャの実息ジリ・ミュシャ(イジー・ムハ)氏との公私にわたる親交によって、ミュシャの祖国(現チェコ共和国)では観ることができない大型の油彩画や下絵など、貴重な作品を加えた厚みあるコレクション形成に尽力し、1989年にチェコスロヴァキア文化功労最高勲章を授与されました。
氏の没後、コレクションは堺市に寄贈され、1994年よりポルタス堺アルフォンス・ミュシャ・ギャラリーにて、2000年より当堺市立文化館アルフォンス・ミュシャ館にて展示公開されています。
故 土居 君雄氏 叙勲
1989年 チェコスロヴァキア文化功労最高勲章
1989年 チェコスロヴァキア文化功労最高勲章
コレクションは、ポスターや装飾パネルだけではなく、油彩画や素描、書籍、ブロンズ彫刻、宝飾品など多彩な作品で構成されています。
見どころは、女優サラ・ベルナールのために制作された7点のポスターや、《蛇のブレスレットと指輪》(1899)など、アール・ヌーヴォーの魅惑的な世界を体現したミュシャの円熟期の代表作です。さらに、チェコ時代のスラヴ民族をテーマにしたポスターや油彩画も多数所蔵しています。フランスとチェコ両国で活躍したミュシャの、初期から晩年に至るまでのあらゆる制作活動を知ることができる、世界でも珍しいコレクションです。