特別展「ミュシャ 謎の絵画」
めぐりめぐる、ワンシーン。
アルフォンス・ミュシャ 《クオ・ヴァディス》1903-04年(1920年加筆) 油彩、カンヴァス 堺 アルフォンス・ミュシャ館(堺市)蔵
展示概要
チェコを代表する芸術家アルフォンス・ミュシャ(1860-1939)のパリ時代のフィナーレを飾る油彩画《クオ・ヴァディス》(1903-04年、1920年加筆)。縦横2メートルを超える大画面には、古代ローマの邸宅で少女が大理石像に口づける小説のワンシーンが描かれています。背後から覗き見る人物は、原作小説には登場しません。その正体や、このシーンが選ばれた理由など、本作にまつわる多くのことは、謎に包まれてきました。本展では、1979年に発見されるまで長らく行方不明だった《クオ・ヴァディス》の全貌を解き明かします。また、この絵画にいたるまでのミュシャの創作の軌跡を、代表的な版画作品をはじめ、挿絵、素描、油彩、ジュエリーによってたどり、当館が誇る世界有数のミュシャコレクションの魅力を余すことなく紹介します。さらに、堺市に伝わる絨毯の手織り技術「堺緞通」で織られた、ほぼ実寸大のタペストリーを初公開。1910年のアメリカで絨毯の原画となるはずだった絵画の歴史に、新たな1ページを刻みます。
展示構成
PavilionⅠ シーンとエピソード
初期の挿絵からサラ・ベルナール主演の演劇ポスターまで、「物語」を描いたミュシャ作品の数々が並びます。
PavilionⅡ 1900年パリ万国博覧会
「アール・ヌーヴォーの勝利」と称された、125年前の壮麗な万博。オーストリア館のためのポスターや彫刻、ボスニア・ヘルツェゴビナ館のための壁画の下絵などを通して、ミュシャの当時の活躍を振り返ります。
PavilionⅢ 絵画の注文
ミュシャへの注文の多くは、空間を彩るための絵画でした。パリ時代の装飾パネルをはじめ、アメリカに拠点を移した後に受注制作した油彩画を紹介します。
PavilionⅣ クオ・ヴァディス――絵画と絨毯
ミュシャの絵画《クオ・ヴァディス》を「織る」——1910年の幻の計画が、堺の伝統技術「堺緞通」によって実現。115年の時を経て叶った夢。ふたつの傑作が並ぶ歴史的機会は必見です。
PavilionⅤ ワンシーンの起源
「謎の絵画」の鍵を握るのは、1901年パリで巻き起こった『クオ・ヴァディス』ブーム。原作小説やその挿絵、演劇の記録、そしてある夜のイベントなどを手がかりに、当時の流行の実態にせまります。
プロジェクト「ミュシャ×堺緞通」とは?
115年前のアメリカで、《クオ・ヴァディス》を原画とする絨毯制作の構想がありました。ミュシャのもとで果たされなかったその夢を、現在この絵画を所蔵する堺市の伝統技術「堺緞通」とのコラボレーションで実現をめざすプロジェクトです。資金は2021年にクラウドファンディングで募り、392名の方々から522万1,000円のご支援をいただきました。製織を担うのは、技術を受け継ぐ大阪刑務所。約2年10か月の時を経て、2024年10月についに完成を迎えました。堺緞通史上、至高のタペストリーを、いよいよ本展で初公開いたします。<ミュシャ×堺緞通>CFプロジェクトにご支援をいただいた方々のご紹介
左:完成時のようす 中央・右:《堺緞通「クオ・ヴァディス」(部分)》2022-24年 羊毛、木綿 堺 アルフォンス・ミュシャ館(堺市)蔵
フォトスポット
“絵画になりきる”再現部屋
絵画を再現したリアルな体感型フォトスポット。絵画の人物になりきることで、19世紀末の余興「活人画」を追体験できます。
スペシャル
①謎解きクロスワードパズル
本展期間中、オリジナルのクロスワードパズル用紙を希望者に配布します。
展示室内の解説パネルからキーワードを探す、謎解き体験をお楽しみください。
*正解者の中から抽選で本展オリジナルスカーフ(非売品)をプレゼント!
*配布数限定、なくなり次第終了
日 時:2025年4月20日(日)~8月17日(日)
対 象:どなたでも
参加費:無料 *イベントの参加には、参加当日の観覧券が必要です。
※画像はイメージです。
②ミュシャ重ねおしスタンプラリー
ミュシャの誕生日と命日の2つのアニバーサリーを記念し、スタンプラリーを実施します。館内をめぐって7つの色のスタンプを重ねておすと、1枚の絵が完成します。
*配布数限定、なくなり次第終了
日 時:2025年7月12日(土)~8月17日(日)
対 象:どなたでも
参加費:中学生以下無料、高校生以上有料(1枚 100円)*イベントの参加には、参加当日の観覧券が必要です。
※画像はイメージです。
■スマートフォンで聴く 無料音声ガイドのご案内
展示の一部は音声での解説をお聞きいただけます。
展示室入口のQRコードを読み込むだけでご利用が可能です。( アプリのダウンロードは不要です。)
※ご利用の際はご自身のイヤホンをご使用ください。またはスマートフォンのスピーカー音量を絞り、直接耳に当ててご利用ください。
※フリーWi-Fiのご利用も可能です。
※Wi-Fi接続以外の通信料はお客様のご負担になります。
■点字解説書の貸出のご案内
当館の主要コレクションについての点字解説書をご用意しております。ご希望の方はスタッフにお声掛けください。
会場 |
堺 アルフォンス・ミュシャ館
住所:
〒590-0014 TEL: 072-222-5533 FAX: 072-222-6833 |
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特別展 観覧料 | 〇一般900円 ※小学生未満、堺市内にお住まいの満65歳以上の方、障害者手帳をお持ちの方と介助の方は無料 |
主催 | 公益財団法人堺市文化振興財団 堺 アルフォンス・ミュシャ館(堺市立文化館) |
後援 | 在堺チェコ共和国名誉領事館、堺式手織緞通技術保存協会 |
協力 | 株式会社インテック、富山県美術館、東京外国語大学附属図書館、OGATAコレクション、フェニーチェ堺 |
制作協力 | 大阪刑務所 |
お問い合わせ | 堺 アルフォンス・ミュシャ館(堺市立文化館) |
展覧会の見どころ
➀ミュシャの絵画を堺の伝統技術「堺緞通」で織り上げた新作タペストリーを初公開!絵画の歴史に新たな1ページを刻みます。
②世界有数のミュシャコレクションとともに、謎の絵画《クオ・ヴァディス》の全貌を解き明かします。
③パビリオンに見立てた5つの部屋を自由にめぐる構成。125年前の壮麗な万博「1900年パリ万国博覧会」の関連作品も大集合!