トークイベント Sakai Art & Society
アーティスト・コーディネーター・キュレーター・研究者・企業・行政関係者等をゲストとして招き、国内外の様々な事例について、堺市の文化施策が目標とする「文化芸術を通じた社会包摂」「文化芸術を通じた社会課題解決」の視点から語るトークイベントです。「学校教育」「子ども食堂」「街づくり」「医療」などのテーマでトークを予定しています。
堺市では、2021年より「第2期堺文化芸術推進計画」を施行し、「文化芸術を通じた社会包摂」「文化芸術を通じた社会課題解決」を目標とした文化施策の推進を開始しました。
お茶、舞踊、生け花、短歌といった伝統文化、オペラやバレエといった西洋発祥の芸術など、多様な文化芸術が根付く堺市が新たに考える「これからの文化芸術と社会との関係性」について、スピーカーがそれぞれの立場から語ります。
今回は、第2回以降に具体的な実践テーマへとつなげるための「基調トーク」として、文化施策や条例といった制度の話が中心となりますが、トークの中では、市民による具体的な文化芸術活動、堺市文化振興財団の事業例などを紹介する予定です。
教育・福祉・医療・多文化共生・街づくりといった様々な分野が文化芸術と連携することを通して、5年後、10年後の地域社会をみんなで作る。そのような活動に関心のある方のご視聴をお待ちしております!
中川 幾郎
堺市文化芸術審議会会長、帝塚山大学名誉教授 国際公共政策博士(大阪大学)。
地方自治論、行政学、公共文化政策、人権政策、自治体経営(行財政改革、人事政策)などが専門。大阪府人事委員の他、滋賀県、奈良県、神戸市などの各種審議会委員長を務める。堺市文化芸術審議会のほか、東大阪市、奈良市、舞鶴市、伊賀市、四日市市、草津市、近江八幡市、酒田市、北上市などの文化審議会会長を務める。
上田 假奈代
詩人、堺アーツカウンシルプログラム・ディレクター
1969年吉野生まれ。3歳より詩作、17歳から朗読をはじめる。2001年「ことばを人生の味方に、詩業家宣言」。2003年、大阪・新世界で喫茶店のふりをしたアートNPO「ココルーム」を立ち上げ、2012年「釜ヶ崎芸術大学」開講。ゲストハウスの運営や井戸を掘るプロジェクトなど、あの手この手で地域との協働を図る。
花木 義幸
堺市文化観光局文化部文化課 課長補佐
1975年生まれ。2007年に堺市役所入庁後、市税の徴収業務、百舌鳥古墳群の世界文化遺産登録業務などを担当し、平成30年から文化課に異動、現在に至る。
これまでに「堺茶の湯まちづくり条例(平成30年10月施行)」及び「第2期堺文化芸術推進計画(令和3年2月作成)」の策定に携わるほか、フェニーチェ堺などの文化施設の管理運営業務、堺アーツカウンシルの企画・運営に携わっている。
常盤 成紀
公益財団法人堺市文化振興財団 事業係長
1990年堺市生まれ。株式会社紀陽銀行、京都市役所を経て2021年より現職。
学校・こども園・子ども食堂向け文化芸術事業、若手芸術家育成事業、市内文化団体支援事業の企画・取りまとめに従事。また、2015年にプロジェクト型オーケストラ「アミーキティア管弦楽団」を立ち上げ、地域や人々の歴史・生活・記憶・文化と音楽表現を結びつける活動を続けてきた。
演劇・ダンス・美術鑑賞といったアートが、教育現場において様々な学びを目指して取り入れられるようになって十数年が経ちます。
今回は、芸術家の立場から教育現場と関わってきた重本晋平さん、芸術家と高校生をつなぐ立場で演劇教育をしてきた いしいみちこさん、小学校教諭の立場でダンサーを招き授業を設計してきた横山海二さん、山田彰良さんをお招きします。
芸術家・コーディネーター・学校教員という、それぞれの立場から経験をお話しいただく中で、「芸術と教育」のこれまでの歩み、そして将来の展望を一緒に考えていきたいと思います。
重本 晋平
まちくさ博士
1985年生まれ京都府八幡市出身。2007年より「まち」に生える「くさ」とその周辺環境を写真に切り取り、そこへ独自の「名付けや見立て」をすることで見慣れた風景を想像力で塗り替えていく体験「まちくさ」を考案。参加型プログラム「まちくさワークショップ」では自らまちくさ博士となり各地の小学校で出張授業を行う。
いしい みちこ
ドラマティーチャー・兵庫県立芸術文化観光専門職大学講師
2004年から福島県立いわき総合高校において演劇教育を実践。 教育を受けた高校生にプロの劇作家・演出家を出会わせ、県内外で成果発表公演を行う。2013年のプロデュース作品 飴屋法水作・演出『ブルーシート』は第58回岸田國士戯曲賞を受賞した。2014年追手門学院中・高等学校において表現教育を展開。現任校ではチームで但馬地域全高校に演劇的手法を用いたコミュニケーションワークショップを実施している。
横山 海二
堺市立原山ひかり小学校教諭
教職に就いて10年目。前任校(榎小学校)在籍中に「心と身体で対話できる子」をテーマに研究をしてきた。平成29年度、NPO法人JCDN(ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク)のコーディネートのもと、文化庁「コミュニケーション事業」に取り組み始める。それから6年間、堺のコーディネーターとして、堺の小学校9校へ本事業を広めてきた。
山田 彰良
堺市立東深井小学校教諭
1992年生まれ大阪府泉佐野市出身。大阪教育大学教育学部を卒業後、2015年より堺市立榎小学校にて教諭として勤務。体育科を中心に子どもたちがいきいきする授業の研究を進める。2019年よりコンテンポラリーダンスを体育授業に取り入れる。全国体育科教育研究集会等で実践発表。「体育授業が100倍盛り上がる!教材アイディア絶対成功の指導BOOK」「学習カードでわかる365日の全授業 小学校体育」(明治図書)の執筆に携わる。
常盤 成紀
公益財団法人堺市文化振興財団 事業係長
1990年堺市生まれ。株式会社紀陽銀行、京都市役所を経て2021年より現職。学校・こども園・子ども食堂向け文化芸術事業、若手芸術家育成事業、市内文化団体支援事業の企画・取りまとめに従事。また、2015年にプロジェクト型オーケストラ「アミーキティア管弦楽団」を立ち上げ、地域や人々の歴史・生活・記憶・文化と音楽表現を結びつける活動を続けてきた。
社会とつながる音楽活動としてのコミュニティプログラムは、2000年以降わが国の音楽大学やオーケストラでも取り入れられ展開されてきました。
それは素朴な社会貢献事業であるだけではなく、音楽家にとって「音楽とは何か」を問い直し、あるいは自分なりの表現の仕方を見つける契機ともなってきたと言えます。
今回は、日本センチュリー交響楽団で、音楽ワークショップを通じた就労支援・団地コミュニティ形成に取り組んできた柿塚様、ジュニアジャズオーケストラの運営を通じた子どもたちの居場所づくりを続けてきた琉球フィルハーモニックの上原様、子供が主役になれるコンサートを企画し、また団員である母親が子供を抱いたまま舞台に上がり演奏する西宮きらきら母交響楽団を企画してきた馬場様の3名をお迎えして、オーケストラが社会とつながり表現を広げることの意義や可能性、今後の展開について深めていければと思います。
柿塚 拓真(かきつか・たくま)
(公財)神戸市民文化振興財団事業部演奏課 演奏担当課長
堺アーツカウンシル プログラム・オフィサー
日本センチュリー交響楽団等で音楽事業制作に従事。国際交流基金アジアフェローシップ、アジア各地や英国の団体との共同事業など海外団体との事業も手掛ける。現在、(公財)神戸市民文化振興財団演奏担当課長として神戸市室内管弦楽団/混声合唱団事務局に勤務。
上原 玲子(うえはら・れいこ)
(一社) 琉球フィルハーモニック専務理事兼事務局長
那覇商工会議所女性会副会長
宮城県出身。沖縄に移住して25年。ピアノリサイタル等の演奏活動を続け、2012年7月一般社団法人琉球フィルハーモニック設立。現在、専務理事兼事務局長。「音楽と共にまちと響きあう」を理念に、音楽による子どもの居場所づくりやバリアフリーコンサート開催の為のプロジェクト事業、離島県としてのインターネット活用研究などを展開している。
馬場 京子(ばば・きょうこ)
西宮きらきら母交響楽団 代表
高2、小6、小6の3児の母。長女0歳のとき子連れで活動できる語学サークル創設(横浜)、2歳のとき広島きらきら母交響楽団創設(広島)。2014年、全ての人が自分の思いを大切にできる世の中を子どもたちに渡したいと、西宮きらきら母交響楽団を創設、150を超えるコンサートを企画、演奏している。
常盤 成紀(ときわ・まさのり)
(公財)堺市文化振興財団 事業係長
1990年堺市生まれ。株式会社紀陽銀行、京都市役所を経て2021年より現職。学校・こども園・子ども食堂向け文化芸術事業、若手芸術家育成事業、市内文化団体支援事業の企画・取りまとめに従事。また、2015年にプロジェクト型オーケストラ「アミーキティア管弦楽団」を立ち上げ、地域や人々の歴史・生活・記憶・文化と音楽表現を結びつける活動を続けてきた。
堺市文化振興財団では、子どもの経験・つながりの貧困が深刻化する現代において「子ども食堂」が全国的に注目を集めていることを意識して、各食堂で子どもたちに求められる経験について芸術活動を通して提供する事業を、令和3年度から開始しました。
今回は、「さかい子ども食堂ネットワーク」の事務局として市内の子ども食堂を支援しつつ、当財団の事業にご協力いただいている堺市社会福祉協議会から所様、全国のネットワーク活動を体系的に支援し、企業等と連携しながら子ども食堂活動を盛り上げてきた湯浅様、そして堺市と同様に横浜市で子ども食堂における芸術体験活動を長らく実施してきた厚地様を招いて、子ども食堂での芸術活動が開く、「芸術」と「福祉」の連携・展開の可能性を探りたいと思います。
湯浅 誠(ゆあさ・まこと)
社会活動家、全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長、東京大学特任教授
1969年東京都生まれ。1990年代よりホームレス支援に従事、2009年~2012年で内閣府参与に就任。内閣官房社会的包摂推進室長、震災ボランティア連携室長等。政策決定の現場に携わったことで、官民協働とともに、日本社会を前に進めるために民主主義の成熟が重要と痛感する。内閣官房こども家庭庁準備室「こどもの居場所づくりに関する調査研究検討委員会」座長。
所 正文(ところ・まさふみ)
社会福祉法人堺市社会福祉協議会 地域福祉課長
平成3年入職。平成11年小地域ネットワーク活動推進事業を担当し、当時市内90の校区福祉委員会の事業立ち上げ支援を行う。平成18年から地域福祉総合企画を担当し、平成21年に行政と合同で地域福祉(活動)計画の策定を機に、様々な地域福祉の事業企画・推進に携わる。平成24年より現職。
厚地 美香子(あつち・みかこ)
認定NPO法人あっちこっち理事長
認定NPO法人トリトン・アーツ・ネットワーク理事
20年間クラシック音楽コンサート・マネジメント会社KAJIMOTOに勤務。アーティスト・マネージャー、コンサート・音楽祭の企画・制作・運営、営業、広報など幅広いマネジメント業務に関わる。2011年東日本大震災をきっかけに音楽・アート・ダンスなどの芸術で社会貢献を行うNPO法人あっちこっち設立。若手芸術家支援、国際社会貢献事業も手がける。
常盤 成紀(ときわ・まさのり)
公益財団法人堺市文化振興財団 事業係長
1990年堺市生まれ。株式会社紀陽銀行、京都市役所を経て2021年より現職。学校・こども園・子ども食堂向け文化芸術事業、若手芸術家育成事業、市内文化団体支援事業の企画・取りまとめに従事。2015年に「アミーキティア管弦楽団」を立ち上げ、地域や人々の歴史・生活・記憶・文化と音楽表現を結びつける活動を続けてきた。
ミュージック・イン・ザ・ダーク®は、視覚障害のある演奏家と、視覚障害のない演奏家との合同メンバーによる合奏団が、照明をすべて消した暗闇の空間で演奏し、演奏者も聴衆も、視覚以外の感覚を研ぎ澄ませて音楽を体感するコンサートです。
視覚が閉ざされた環境の中で演奏をし、あるいは音楽を聴くことを通して、音楽(演奏・合奏)とは何か、そしてより視点を広げて、目の見える人、見えない人、見えづらい人は、それぞれ世界をどのように捉えているのかについて理解を深めることができます。
この公演を令和6年2月3日にフェニーチェ堺で開催するにあたり、企画者である横浜みなとみらいホール館長・東京藝術大学客員教授の新井鷗子氏と、障害のある人の身体の使い方、生き方、社会との関係を研究してきた、美学者の伊藤亜紗氏をゲストにお招きするトークイベントを開催します。企画者・主催者・美学者、三者の視点から本公演を語ることで、ミュージックインザダークの魅力に迫りつつ、あらゆる人にとって、世界や想像が広がるような機会にしたいと思います。
©蓮見徹
新井 鷗子 Oko ARAI
横浜みなとみらいホール館長、東京藝術大学客員教授
東京藝術大学楽理科および作曲科卒業。これまでに「題名のない音楽会」「東急ジルベスターコンサート」「エンター・ザ・ミュージック」等、数多くの音楽番組の構成を務める。藝大COI拠点「インクルーシブアーツ研究」リーダーとして、一本指で弾ける楽器「だれでもピアノ®︎」(特許:第6744522号)、「ミュージック・イン・ザ・ダーク®」等の開発に携わる。
伊藤 亜紗 Asa ITO
美学者
美学者。東京工業大学科学技術創成研究院未来の人類研究センター長、リベラルアーツ研究教育院教授。MIT客員研究員(2019)。博士(文学)。主な著作に『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社)、『どもる体』(医学書院)、『記憶する体』(春秋社)、『手の倫理』(講談社)。第42回サントリー学芸賞、第19回日本学術振興会賞等。
■モデレーター
常盤 成紀 Masanori TOKIWA
公益財団法人堺市文化振興財団 事業係長
1990年堺市生まれ。株式会社紀陽銀行、京都市役所を経て2021年より現職。学校・こども園・子ども食堂向け文化芸術事業、若手芸術家育成事業、市内文化団体支援事業の企画・取りまとめに従事。2015年に「アミーキティア管弦楽団」を立ち上げ、地域や人々の歴史・生活・記憶・文化と音楽表現を結びつける活動を続けてきた。
2000年以降のわが国では、大学機関や文化施設・公共団体において様々な若手芸術家への育成支援事業が実施されてきました。大学機関では2001年から神戸女学院大学で開始した「音楽によるアウトリーチ」講座を始め、近年では2021年に東京藝術大学・桐朋学園大学で実施された「Music Bridge」等、多様な教育プログラムが開発・取り組まれてきました。その背景には社会が芸術に寄せる期待の広がりに加えて、とりわけ若手芸術家を取り巻く社会的環境の変化があります。他方で文化施設・公共団体においても、そうした大学機関の潮流と同調し、時に連携する形で体系的な若手芸術家への育成支援事業を実施してきました。それは文化施設・公共団体が若手芸術家と実際に仕事をする仲間として抱く理念や問題意識に由来しています。今回のトークでは、全国の数ある実践の中から、「とよなかARTSワゴン」「長久手市文化の家創造スタッフ」「堺市新進アーティストバンク」の事例を紹介しながら、現場における若手芸術家育成支援のこれからについて議論を深めていきたいと思います。指定管理事業(豊中)、行政直営事業(長久手)、行政補助事業(堺)という三様の立場から語ることで、広く他市町村の皆様にも参考となれば幸いです。
生田 創 So IKUTA
長久手市文化の家館長
1995年㈱三光に入社。1999年長久手市文化の家にて企画制作担当。長久手国際オペラ声楽コンクール、おんぱくなど、数多くの事業を手掛ける。2021年より東京大学先端科学技術研究センターと連携しNagakute Nature-Centered Projectを立ち上げる。愛知県立芸術大学、名古屋大学、ステージラボ(地域創造)等で講師を務める。2023年より文化の家館長。
井上 周 Amane INOUE
豊中市立文化芸術センター 事業統括プロデューサー/広報事業課課長
愛知県立芸術大学大学院音楽研究科を修了後、岐阜県にあるサラマンカホールで公共文化施設運営の世界に飛び込む。2016年からは、豊中市立文化芸術センターで広報事業課に所属。同センターの立ち上げから包括的な人材育成事業、現代音楽を中心とした先進的な鑑賞事業など、様々な事業企画の立ち上げ・制作を経て現在に至る。
■モデレーター
常盤 成紀 Masanori TOKIWA
公益財団法人堺市文化振興財団 事業係長
1990年堺市生まれ。株式会社紀陽銀行、京都市役所を経て2021年より現職。学校・こども園・子ども食堂向け文化芸術事業、若手芸術家育成事業、市内文化団体支援事業の企画・取りまとめに従事。2015年に「アミーキティア管弦楽団」を立ち上げ、地域や人々の歴史・生活・記憶・文化と音楽表現を結びつける活動を続けてきた。
公益財団法人堺市文化振興財団
TEL 072-228-0880(平日9:00~17:30)
会場 |
フェニーチェ堺(堺市民芸術文化ホール)
住所:
〒590-0061 |
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