川口成彦フォルテピアノリサイタルシリーズ2021「Contemporaries-同時代人の肖像-」
★12/26(日) 川口成彦フォルテピアノリサイタルシリーズ トークゲストについてのお知らせ
★12/26初演 作曲家 杉山洋一氏によるフェニーチェ堺委嘱新作 『Farewell to the mountains(山への別れ) フォルテピアノのための』解説
《第1回 「シューベルト&His Contemporaries」アンコール曲》
ラハナー(シューベルトの親友):6つの小品集 op.109より第6番
《第2回 「ショパン&His Contemporaries」アンコール曲》
クシジャノフスキ:2つの無言歌 op.28より第2番
《第3回 「モーツァルト&His Contemporaries」アンコール曲》
F.ソル:ナイーブ(『胸甲騎兵』より)
フォルテピアノを通して広がる 18~19世紀の音と時代
作曲家に寄り添い、彼らがイメージした当時の音色を探求し続ける川口成彦の演奏で、大作曲家が生きた時代にタイムスリップ!!
~Message~
21世紀も5分の1が過ぎたところだが、我々の音楽を取り巻く状況も20世紀とは大分変わってきているのではないでしょうか。演奏家の演奏スタイルの変化、ネット社会の発展による音楽受容の変化… …小さいことも多いかもしれませんが、私たちは生きた文化の歴史の中に生きていることは間違いなさそうだと感じます。今聴くことが出来ない20世紀の昔の巨匠の録音を聴いて「ああ、生で聴いてみたかった」とその当時への強い憧れを私は抱いていますが、それはやはり現代と「当時」に何らかの大きな差を録音を通して感じているからです。
私は、そんな変化し続けている音楽文化の中で、聴衆という立ち位置で注目していることがあります。それは世界中の数多くの古楽器奏者たちによって、歴史に埋れてしまった天才的な作曲家たちがピリオド楽器とともに命をどんどん吹き込まれていることです。それは「古楽」というものが存在する一つの大きな意義であり、偉大な先人たちが重んじてきたその役割を現代の古楽器奏者たちも確実に受け継いでいます。我々が享受する音楽レパートリーがただ拡大するだけでなく、それは多くの人に愛されてきた作曲家たちを「他者理解から発展する自己理解」のごとく改めて深く知るきっかけにもなります。
「Contemporaries –同時代人の肖像–」では3回の公演で3人の作曲家に焦点をあてながら、彼らが生きた時代の他の作曲家の未だなかなか生で聴くことが出来ない作品も取り上げます。ピリオド楽器で蘇るそれらの作品および作曲家たちを新しく知る喜びには、現代に生きる私たちが18世紀や19世紀当時の音楽文化の中に時間軸を超えて放り込まれる興奮が宿っていると思います。最終回では我々のcontemporaryである杉山洋一氏による新作の初演も予定しており、18世紀の楽器でどのような現代の音楽が生まれるかとても楽しみです。
ー川口成彦
ーー個性豊かな200年前のピアノの音色とゲストを迎えてのトークを楽しみながら、18~19世紀の世界をより深く、より近くに!ーー
第1回 シューベルト&His Contemporaries
2021年9月29日(水) 開場18:30 開演19:00
シューベルト:ハンガリーのメロディー ロ短調 D817
ツェルニー: 夜想曲 ホ長調 op.368-1
夜想曲 イ短調 op.368-6
シューベルト:12 の高貴なワルツ集 D969
ピアノソナタ イ長調 D664
シューベルト:即興曲 変ロ長調 D935-3
N.ブルグミュラー:ピアノソナタ ヘ短調 op.8
【トークゲスト】梅岡俊彦
〈使用楽器〉
グレーバー(1820年 インスブルック)
ベートーヴェンやシューベルト時代の標準的な機能を備えたウィーン式メカニックのフォルテピアノ(梅岡俊彦)
梅岡楽器サービス所蔵
第2回 ショパン&His Contemporaries
2021年10月2日(土) 開場14:30 開演15:00
ショパン:ワルツ第2番 変イ長調 op.34-1
アダリッド:祖国の思い出 ハ長調 (『24 の無言歌集』より)
愛の哀しみ 変ホ長調 (『24 の無言歌集』より)
ラメント ホ短調 op.9
ショパン:ワルツ 嬰ハ短調 op.64-2
幻想即興曲 嬰ハ短調 op.66
バラード第1番 ト短調 op.23
ピアノソナタ第 2 番『葬送』 変ロ短調 op.35
アルカン:波打ち際の狂女の歌 作品 31-8
幻影 作品 63-1
嘆息 作品 63-11
ないしょ話 作品63-9
舟歌 作品 65-6
戻らぬ時間 作品 31-12
叱責 作品 63-10
戦慄 作品 63-7
小スケルツォ 作品 63-47
夢の中で 作品63-48
荒れ模様 作品 74-10
【トークゲスト】小味渕彦之
〈使用楽器〉
プレイエル(1846年 パリ)
この1846年製のプレイエルピアノはショパンがイギリス滞在の折に購入した物と酷似している。音域は当時最新の7オクターブに達していて、ダンパーペダルには工夫がされている。軽く踏み込むと左半分が上がり、さらに踏み込むと全体が上がる。このことで、演奏の表現力が豊かになった。(山本宣夫)
フォルテピアノ ヤマモトコレクション所蔵
ファツィオリ F308(モダンピアノ)
フェニーチェ堺所蔵
第3回 モーツァルト&His Contemporaries
2021年12月26日(日) 開場14:30 開演15:00
モーツァルト:幻想曲 ニ短調 K.397
ドゥシーク:トルコ風ロンド ハ長調
ロシア風変奏曲 ハ長調
シャンソネット ト短調
スペイン軍の撤退 ト長調
モーツァルト:ピアノソナタ イ長調 『トルコ行進曲付き』 K.331
[スペシャルコーナー works by OUR Contemporary!]
杉山洋一: Farewell to the moutains(山への別れ) フォルテピアノのための
《フェニーチェ堺委嘱作品世界初演》
モーツァルト:ピアノソナタ ハ長調 K.309
エーベルル:ピアノソナタ ハ短調 op.1
【トークゲスト】杉山洋一
〈使用楽器〉
ワルター(1800年頃 ウィーン)Paul McNulty 2002年作
モーツァルトが所有していたメーカーとして有名なワルターのモデル。18世紀末の代表的なウィーン式メカニックのフォルテピアノである。(梅岡俊彦)
梅岡楽器サービス所蔵
ドゥルケン(1790年 ミュンヘン)Thomas&Barbara WOLF 1979年作
モーツァルトが愛用したシュタインタイプのウィーン式メカニックのフォルテピアノのコピー楽器。オリジナルのピアノは長年シュタイン作と信じられていたが、近年ドゥルケンによる偽作と判明。現代の名手マルコムビルソンが所有していた楽器で、彼のモーツァルト全集の録音にも使用されている。(梅岡俊彦)
梅岡楽器サービス所蔵
★観どころ、聴きどころ♪『川口成彦フォルテピアノリサイタルシリーズ2021』 – フェニーチェ堺 (fenice-sacay.jp)
★2020シリーズ公演レポート★
第1回 古楽器で演奏されるベートーヴェンの音
第2回 よみがえる200年前の音
第3回 ベートーヴェンにもスランプが
第4回 いつもそこに人が居て、歌と踊り(音楽!)がある国スペイン
川口成彦プロフィール
第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール第2位、ブルージュ国際古楽コンクール最高位。フィレンツェ五月音楽祭、モンテヴェルディ音楽祭はじめ欧州の音楽祭にも出演を重ねる。協奏曲では18世紀オーケストラ、{oh!} Orkiestra Historycznaなどと共演。東京藝術大学/アムステルダム音楽院の古楽科修士課程修了。第46回日本ショパン協会賞受賞。第31回日本製鉄音楽賞 フレッシュアーティスト賞受賞。
公式ホームページ
会場 |
フェニーチェ堺(堺市民芸術文化ホール) 小ホール
住所:
〒590-0061 ※駐車台数が限られてます。公共交通機関をご利用ください。 |
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チケット料金 | 指定席 4,000円 *全席指定・税込 新型コロナウイルスの状況を鑑みシリーズセット券の販売はございません。何卒ご理解ください。 |
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sacayメイト先行 | 第3回(12/26)公演を下記期間にて受付します。
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チケット購入方法 | 〈一般発売日〉
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窓口 | ※一般発売日の翌週月曜より チケット残数がある場合のみ販売(各館の休館日・販売時間にご注意ください。)
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主催 | フェニーチェ堺 |
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協力 | フォルテピアノ ヤマモトコレクション/梅岡楽器サービス |
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お問い合わせ | フェニーチェ堺(堺市民芸術文化ホール) |